【経理の不正を防ぐには?】原因を仕組みに求め、見える化で対策を

経営者の皆さま、経理業務における「不正」について、どれくらい本気で対策を講じていますか?

「うちの社員に限ってそんなことはない」「小規模だから大丈夫」──そう思っていた企業こそ、実は最もリスクが高いという事実をご存じでしょうか?

本記事では、中小企業における経理不正の実態とその根本原因に迫り、仕組み化と見える化による再発防止策を具体的に解説します。

このコラムを読むことで、漠然とした不安を「確実な対策」に変えることができます。

特に、経理が1人しかおらずチェック体制が弱い企業、バックオフィスを見直したい企業の経営者や経理担当者は、ぜひ最後までご覧ください。


なぜ中小企業ほど経理不正が起こりやすいのか?

見落とされがちな「属人化」という根本原因

中小企業では経理業務が特定の担当者に集中しているケースが多く、「1人経理」「兼任経理」「未経験者による経理担当」など、属人化しやすい体制が一般的です。

このような体制では、以下のようなリスクが常に潜んでいます。

  • 業務内容やプロセスがブラックボックス化する

  • ダブルチェックの機会がなく、不正が見逃される

  • ミスや不正が発生しても発覚が遅れる

つまり、「人を信頼する」だけでは、経理不正は防げないのです。


経理不正の主なパターンとその手口

1. 架空経費の計上

実際には発生していない取引をあたかもあったように装い、会社のお金を自分の口座に回す手口です。交通費・備品購入費・出張費などを偽装して計上されるケースが多く、領収書の改ざんや私的利用も含まれます。

2. 二重払い・水増し請求の誘導

取引先と結託して請求額を水増しする、もしくは架空請求を立てて代金を不正取得するパターンです。現金取引の多い業種や、下請け業者との直接契約が多い企業でよく見られます。

3. 現金の着服・使い込み

売上金や仮払金、小口現金など、手元で現金を扱う業務において、その一部を抜き取る行為です。小さな金額でも、長期間にわたると大きな損害につながります。

4. 銀行口座の不正操作

会社名義の口座から私的な送金をおこなう、取引先を装って個人口座に送金する、インターネットバンキングを悪用するなど、より悪質なケースです。ログイン情報の管理が甘いと発生しやすくなります。


不正が起きる3つの要因【不正のトライアングル理論】

経理不正の研究において有名な「不正のトライアングル理論」では、不正は以下の3つの要素がそろったときに発生するとされています。

  1. 動機(プレッシャー)

     借金や生活苦、評価制度によるプレッシャーなど

  2. 機会(オポチュニティ)

     チェックされない環境、管理体制の甘さ、権限の集中

  3. 正当化(ラショナライゼーション)

     「少しくらい大丈夫」「あとで戻せばいい」という思い込み

これら3つがそろったとき、不正は“偶然”ではなく“必然”として起きてしまいます。


経理不正を防ぐための「仕組み」と「見える化」対策

1. ダブルチェック体制の導入

支払い・経費処理・入金確認など、金銭が絡む業務には、必ず複数人によるチェック体制を構築しましょう。

可能であれば、承認者と実務担当者を分け、経営者がランダムに監査するのも有効です。

2. 経理フローの「見える化」

経理業務をフローチャート化し、誰が・何を・いつ・どうやって行っているかを明文化します。

クラウドツール(例:Backlog、Notion、Googleスプレッドシートなど)を用いると、社内での共有や変更履歴の記録が容易になります。

3. 権限の分散と制限

経理担当者が銀行口座への振込・入出金記録の修正・仕訳登録までを一手に担っている場合、非常に危険です。

振込業務は別の担当者に任せたり、パスワードは経営者管理にしたりすることで、不正の機会を物理的に断つことができます。

4. クラウド会計ソフトの導入

freee、マネーフォワード、弥生などのクラウド型会計ソフトを導入すれば、ログイン履歴や操作履歴が残り、不正の痕跡を見逃しません

また、税理士と連携することで、第三者による定期的な監査機能も得られます。


実際にあった経理不正の事例【中小企業編】

事例:経理担当者が3年間にわたり売上を着服

従業員10名ほどの製造業で、1人経理を任されていた担当者が、売上の一部を帳簿に記載せず、自分の口座に送金していたことが発覚。

発見されたときには、すでに被害総額は1,200万円を超えていました。

この企業では、入金確認・帳簿記載・月次チェックの全てを1人に任せており、経営者は「決算が毎年出ていたから問題ないと思っていた」と話しています。

→業務の見える化と外部監査があれば、防げた可能性が高い事例です。


まとめ

中小企業における経理不正のリスクは、「性善説」では防ぎきれません。

特に「属人化」「チェック不在」「仕組み不足」といった環境がそろえば、不正の温床となってしまいます。

そのためには、以下の4つを徹底しましょう。

  • ダブルチェック体制の構築

  • 経理フローの見える化

  • 権限の分散・制限

  • クラウド会計ソフトの導入

弊社では、経理業務の見直しから、クラウド会計の導入支援、アウトソーシングによる監査体制強化まで幅広くサポートしております。

「うちは大丈夫?」と不安を感じた方は、まずはお気軽にご相談ください。

小さな会社こそ、強い仕組みで未来を守る時代です。

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