【税務処理の注意点】従業員へのプレゼントはどう仕訳する?

中小企業の経理担当者や経営者の皆さま、「社員の誕生日にギフトを贈った」「永年勤続のお祝いで記念品を渡した」といった場面で、「これって福利厚生費?給与?どっちになるの?」と悩んだことはありませんか?

従業員へのプレゼントは、感謝や士気向上を目的とした立派な社内施策ですが、税務処理を誤ると“給与として課税対象”となり、従業員や会社双方に負担が発生する恐れがあります。

この記事では、従業員へのプレゼントに関する仕訳方法や税務上の取り扱い、課税されないための注意点について、実務に即して分かりやすく解説します。

特に、総務・経理を兼務している中小企業のバックオフィス担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。


そもそも従業員へのプレゼントは経費にできるの?

業務に関連する目的で支出するもので社会通念上相当(少額)な金額の範囲内での贈答であれば「経費」として処理可能です。

ただし、プレゼントの内容や金額、目的によっては「給与」とみなされ、従業員に対して所得税・住民税の課税対象となるケースもあります。


税務上の判断基準:「給与」と「福利厚生費」の分かれ目

区分 内容 税務上の扱い 従業員側の課税
福利厚生費 社員全体を対象とした慶弔見舞金、記念品、イベント景品などで金額的に高額でないもの 損金算入可 課税なし
現物給与(課税) 特定社員への高額プレゼント、個人的性格が強い贈与 損金算入可(要源泉) 課税あり
交際費 取引先や外部関係者への贈答品 交際費として処理

【仕訳例付き】ケース別:従業員プレゼントの処理方法

ケース①:誕生日祝いに図書券2,000円分を贈呈

ポイント:金額が少額であり、全社員を対象に制度化されていれば福利厚生費扱いが可能。

仕訳例:(借方)福利厚生費 2,000円 /(貸方)現金預金 2,000円

※「毎年1回、全社員対象」といった公平性が前提です。


ケース②:永年勤続表彰として記念品を贈呈(5,000円相当)

ポイント:永年勤続表彰(例えば10年、20年)の制度に基づく贈答であれば、非課税の範囲として処理可能。

条件:

  • 勤続年数が10年以上

  • 表彰は1回のみ

  • 記念品が社会通念上相当(金券や現金は不可)

仕訳例:(借方)福利厚生費 5,000円 /(貸方)現金預金 5,000円

※現金・商品券は課税対象となり、源泉徴収が必要です。


ケース③:業績優秀者にApple Watch(40,000円相当)を贈呈

ポイント:業績連動の個別インセンティブは「給与」扱いになります。

仕訳例:(借方)給与手当 40,000円 /(貸方)現金預金 40,000円

※この場合、源泉徴収の対象となり、従業員にも課税されます。


【要注意】給与扱いとなるケースとは?

以下のようなケースでは、「現物支給=給与」とみなされ、課税対象となります。

  • 特定の従業員だけに高額商品を贈った

  • 金券や現金(商品券・ギフトカードを含む)を支給した

  • 成果報酬として明確にインセンティブ性がある

  • 家族旅行券や豪華ディナー券など、私的性格が強いもの

→ 社員に渡したものの内容と「目的・金額・公平性」を総合的に見て、給与課税とされるか否かが判断されます。


福利厚生費として処理するための実務ポイント

1. 社内規程・制度を整備する

  • 「勤続表彰」「誕生日祝い」などは制度として明文化

  • 全社員または一定の条件下で公平に運用する

→ 就業規則や社内マニュアルに記載しておくことで証拠となり、税務調査でも説明が可能です。

2. 支給履歴・名簿を保存

  • 支給日、支給物、対象者、金額を一覧化

  • 会計資料とあわせて数年間保管

→ 金額や人数が適正かどうか判断される資料となります。

3. 金額の上限に注意(少額が原則)

  • 1人当たり5,000円程度が目安

  • 高額な場合は分割や代替案を検討


よくある質問(FAQ)

Q:商品券を従業員全員に1,000円分配っても課税ですか?

A:はい。金券は現物給与とされ、給与課税の対象になります。全員に配っていても課税扱いです。

Q:誕生日プレゼントに花束を贈った場合は?

A:少額かつ全員に対して贈っている場合は福利厚生費として処理可能です。

Q:退職記念に1万円相当の記念品を渡した場合は?

A:高額な場合は課税対象とされる可能性があります。5,000円程度に抑えるのが無難です。


まとめ

従業員へのプレゼントは、従業員満足度の向上・定着率アップに有効ですが、税務処理を誤ると給与課税のリスクが発生します。

処理を誤らないための3原則は以下の通りです。

  1. 制度化されていて、全社員に公平であること

  2. 金額が社会通念上相当(少額)であること

  3. 現金や金券ではなく、物品であること

弊社では、福利厚生制度の設計支援・仕訳アドバイス・税務調査対応支援などを行っております。

「この支給、課税になりますか?」と不安を感じた方は、ぜひお気軽にご相談ください。

社員が喜び、かつ会社も安心できる福利厚生の仕組みを整えましょう。

お問い合わせ

佐賀経理代行センター に関するお問合せは下のフォームよりお願いします。

下記項目にご入力後、一番下の「この内容で送信する」ボタンをクリックしてください。
は入力必須項目です

     

お名前
お名前(カナ)
Eメール
郵便番号
住所
電話番号
FAX番号
件名
お問い合わせ内容

ご入力の内容はこちらで宜しいでしょうか?
今一度ご確認頂き、宜しければチェックを入れて送信ボタンをクリックして下さい。

※ご入力のメールアドレスを今一度ご確認下さい。
宜しければ「この内容で送信する」ボタンをクリックして送信して下さい。

お電話でのお問合せは TEL : 0120-770-775 まで。お気軽にお問合せ下さい。

※お問い合わせ内容によりましては返答に少々お時間を頂く場合が御座います。

お気軽にお電話下さい 経理のお悩み無料相談受付中! 0120-770-775 受付時間 9:00~19:00 問い合わせフォーム 24時間受付中! 無料相談の詳細はコチラ