【うちは大丈夫の落とし穴】1人経理に依存する危うさとは
「うちの経理はベテランだから大丈夫」「何十年も1人で任せてきたけど、何も問題なかった」
そう思っていませんか?
中小企業において「1人経理」は決して珍しいことではありません。
しかし、そのまま放置しておくと、思いがけないトラブルや経営リスクに直面することもあります。
本記事では、「うちは大丈夫」と思い込んでいる企業こそ知っておくべき1人経理の依存による危険性と、今からできる対策について解説します。
この記事を読むことで、自社の経理体制を冷静に見直し、持続可能な業務設計ができるようになります。
特に、経理担当者が1人だけの企業、引き継ぎ体制やマニュアルが整備されていない企業、経営者が経理に関与していない企業は、ぜひ最後までお読みください。
なぜ「1人経理」は中小企業に多いのか?
中小企業では人員に限りがあるため、経理業務を1人の社員がすべて担っているケースがほとんどです。
たとえば以下のような業務がすべて1人に集中していませんか?
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日常仕訳の入力
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請求書の作成・発行
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給与計算・社会保険処理
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月次・年次決算対応
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税理士とのやり取り
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資金繰り表の作成や経営資料の作成
このような「経理の属人化」は、日常的にはうまく回っているように見えても、ひとたび何かが起こると、業務が完全に止まる危険性をはらんでいます。
【落とし穴1】担当者の退職や病気=経理業務の停止
最も多いのが、「急な退職」や「病気による長期休職」です。
1人にしかわからない処理がある場合、業務が完全にストップします。
例えばこんな事例があります。
■事例:退職直前の引き継ぎが1日しかなかった
経理担当者が家庭の事情で急遽退職することに。後任が決まったものの、引き継ぎ期間はわずか1日。
書類の保管場所やパスワードもわからず、月末の支払いが遅延。結果として、取引先との信頼関係が損なわれてしまった。
ポイント:経理業務の可視化やマニュアル化がない場合、突然の欠員にまったく対応できません。
【落とし穴2】ヒューマンエラーや不正の発見が遅れる
1人経理では、ミスを発見するための「ダブルチェック」が機能していません。
仕訳ミス、請求漏れ、税金の過不足納付など、ミスがそのまま決算まで反映されてしまうのです。
また、不正を働こうとする人間にとっても、チェック体制がない環境は「好都合」になります。
■実際に起きた例
ある中小企業で、経理担当者が3年間にわたり小口現金を着服。
誰も確認する者がいなかったため、発覚までに時間がかかり、被害総額は600万円以上に。
ポイント:チェック体制がない環境は、不正やミスの温床になります。
【落とし穴3】経営判断の遅れにつながる
1人経理に依存していると、日々の入力作業や請求書処理に手いっぱいになり、「月次決算」や「資金繰り表の作成」が後回しになることがあります。
その結果、経営者がリアルタイムで正しい数字を把握できず、適切な経営判断ができなくなるという問題が生じます。
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黒字だと思っていたが、実はキャッシュ不足だった
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売掛金の回収が遅れ、支払日に資金ショートしそうになった
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助成金の申請期間を逃した
ポイント:経営に必要な数字が見えないと、会社の舵取りそのものが危うくなります。
【落とし穴4】経理担当者の負担増=離職リスクの加速
「1人経理」は責任も大きく、ミスも許されず、プレッシャーが強い仕事です。
しかも「誰にも相談できない」環境では、心身に大きなストレスを抱え、突然の退職につながる可能性があります。
■担当者の本音
「給与の振込もミスできない」「誰にも確認できないのが怖い」「毎年この時期になると体調を崩す」
経理担当者を守るためにも、業務の分担やサポート体制の整備は不可欠です。
今からできる!1人経理依存から脱却するための4つの対策
1. 業務マニュアルの整備
まずは、経理業務の流れを明文化し、誰でも対応できる状態にすることが大切です。
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支払いのフロー
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給与計算の方法
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帳票の保管場所
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使用しているソフトの使い方やログイン情報の管理方法
これをクラウド上(GoogleドライブやDropboxなど)にまとめておけば、万一の際も安心です。
2. 業務の可視化と定期的な棚卸し
経理業務を「見える化」することで、無駄や属人化している部分を発見できます。
業務フローを図解化し、どこに負荷が集中しているかを定期的にチェックしましょう。
3. クラウド会計ソフトの導入
freeeやマネーフォワード、弥生などのクラウド型会計ソフトを導入することで、データを複数人で共有し、アクセス履歴も残るようになります。
経営者が数字をリアルタイムで把握でき、外部の税理士や社労士と連携しやすくなるメリットもあります。
4. 一部業務のアウトソーシング
「記帳代行」「給与計算」「年末調整」など、外部に委託できる部分は専門家に任せることで、業務の分散化と精度の向上が実現できます。
属人化を解消するだけでなく、法改正や制度変更への対応力も高まり、会社全体のリスクが低減されます。
まとめ
「うちは大丈夫」という思い込みこそが、1人経理に潜む最大の落とし穴です。
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担当者の退職・病気による業務停止
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ヒューマンエラーや不正の温床
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経営判断の遅れ
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担当者の過重労働と離職リスク
これらは、すべて事前に**「見える化」と「仕組み化」**によって回避できるリスクです。
弊社では、経理体制の棚卸し・マニュアル作成・クラウド導入支援・アウトソーシングのご相談など、幅広いサポートを行っております。
「今のままで本当に大丈夫か?」と少しでも感じた方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
会社の未来を守るために、経理体制の見直しは待ったなしです。
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